日本ハム・樋口と横浜DeNA・蝦名がOPS 1.000超えで躍進中 | 新人ファーム打撃成績(高卒以外)

コラム

2020年の新人(高卒以外)の9月12日時点の打撃成績をまとめます。

樋口(日本ハム)、蝦名(横浜DeNA)が歴代新人と比べても記録的なOPSで期待を持たせる成績を残しています。柳町(ソフトバンク)、髙部(ロッテ)も1軍昇格の可能性を感じさせる好成績を残しています。

はじめに

コロナウイルスの影響で開幕が遅れた2020年プロ野球。各チーム100試合弱予定されるシーズンで、9月12日現在、各チームおよそ半分の試合を消化し終えました。

そんな開幕に合わせた調整の難しさがあった2020年シーズンここまで新人選手がどれだけの成績を残しているかを見て行きます。

先日高卒新人の成績について見て行きましたが、今回は高卒以外の選手の打撃成績を見て行きます。

成績比較

基準となる成績比較にはOPSを用いていきましょう。

高卒新人とは異なり、大学や社会人を経て入団した選手は一般的に早い段階で戦力となることも期待されているケースが多いでしょう。

そうなると、既にプロで2年・3年と経験を積んでいる選手とも争う立場にもなります。そうなると、1年目とは言え、1軍をうかがう選手にはOPSを.700あたりは期待していきたいところでしょうか。

50打席以上打席に立ち、.700以上を残している選手は、9月10日時点で6人います。

選手名球団ドラフト経歴生年月日打席数
宇草 孔基広島2位常総学院高 – 法政大1997年4月17日172
佐藤 優悟オリックス育成7位柴田高 – 仙台大1997年4月2日67
柳町 達ソフトバンク5位慶応高 – 慶応大1997年4月20日106
樋口 龍之介日本ハム育成2位横浜高 – 立正大 – BC・新潟1994年7月4日173
蝦名 達夫横浜DeNA6位青森商 – 青森大1997年9月20日94
髙部 瑛斗ロッテ3位東海大甲府高 – 国士舘大1997年12月11日108

選手の細かい成績を見て行きましょう。

歴代上位のOPSを残す樋口(日本ハム)、蝦名(横浜DeNA)

まず非常に高いOPSで目につくのが、日本ハムの樋口と横浜DeNAの蝦名。

この二人はここまで大台となる1.000を超えるOPSを残しています。

樋口 龍之介(日本ハム、育成2位、BC新潟)

まず樋口。BCリーグを経て年齢的にも26歳ということで、1軍で早い段階から活躍をしてほしい選手であろうと思いますが、174打席に立ちOPS1.105。

1年ということを抜きにしても圧倒的な成績と言っていいでしょう。

内訳を見てみると、まず目につくのは12本塁打を放つ長打力。

本塁打率で見ると12.25(147打数)ということで、2軍とはいえ飛ばす力に関してはトップクラスのものを持っていると考えて良さそうです。

また長打力がありながらも打率は3割台中盤、出塁率は4割台中盤と、数字からはボールを見極める力に確実性を持ち合わせているのがうかがえます。

育成選手ということもあり、まず支配下登録を勝ち取るところからですが、これほどの成績を残していればそう遠くはないでしょう。

身長168cmということで、小柄な身体から発揮するパワーにこれからも注目です。

蝦名 達夫(横浜DeNA、6位、青森大)

次に蝦名。彼もここまで残しているOPSは1.086とわずかに樋口に及ばないといった程度。

蝦名に関しても本塁打の数こそは樋口の半分の6本ですが、本塁打率で見ると13.50(81打数)と遜色ありません。

また打率・出塁率に関しても非の打ちどころのない成績です。

先日9月10日にはプロ初安打初本塁打を阪神・能見選手から放ち、持ち味の長打力を1軍首脳陣にもアピールしました。ここからのシーズン、1軍で引き続き起用されるのか、2軍で着実に成績を伸ばすのか分かりませんが、いずれにしても好調を維持していってもらいたいですね。

気になったので、歴代OPS上位と樋口・蝦名を比較

この樋口と蝦名の成績って歴代と比べてもすごいんじゃないの?ということで、歴代上位選手と比べてみました。

結果は次の通り。2005-2019年の15年間で、50打席以上立ってOPS1.000以上を残した新人はたったの6名。その中でもトップは現シンシナティレッズの秋山翔吾選手の1.104。なんと樋口の今のOPSはここ16年で歴代最高ペースということになります。すごい。

また蝦名も秋山に次ぐ3番手。それだけ記録的なハイOPSを残している二人です。

チーム名前打席OPS
2005ロッテ竹原 直隆3261.077
2007広島中東 直己791.042
2011西武秋山 翔吾1151.104
2014ロッテ井上 晴哉2321.054
2014西武山川 穂高3211.017
2018ヤクルト塩見 泰隆1661.011
2020日本ハム樋口 龍之介1731.105
2020横浜DeNA蝦名 達夫941.086

六大学のヒットメーカー柳町(ソフトバンク)が三番手、それに続く高部(ロッテ)

柳町 達(ソフトバンク、5位、慶応大)

2020年新人3番手には柳町。

彼は慶応大で1年生から主力として活躍し、六大学で通算102安打を記録したヒットメーカーです。プロでもやはり打力は期待されるところでしょう。

その期待に応えここまでOPS.914を記録しています。

打率.322、出塁率.425とやはり確実性の高い打撃が出来ています。

選手層の厚いソフトバンクにあって、1軍の壁を破るのはそう簡単ではありませんが、この成績を継続できれば必ず1軍が見えてくることでしょう。

髙部 瑛斗(ロッテ、3位、国士舘大)

OPS.829で4番手につけるのは髙部。

彼は打率が樋口・蝦名・柳町にも勝る.356。彼も大学時代には東都大学の2部リーグながら1年次から活躍を続け、129安打のリーグ最多記録を更新。

やはりプロでも打撃力でのアピールが出来ているということになります。

さらには髙部に検しては12盗塁(成功率.800)を記録。足があるというのは、打撃力に加えた大きな武器になるでしょう。

一つ気になる点としては出塁率が打率の高さに比してそれほど高くない(IsoD=出塁率-打率=0.037)という点でしょうか。

俊足好打の選手である以上、出塁は役割として求められる点かと思いますので、改善の余地があるところでしょうか。出塁率の向上は必然的にOPSの向上にもつながりますしね。

現在ロッテの一軍中堅手として俊足が武器の和田康士朗が派手にアピールを続けている中で、髙部も争う存在になってくると、好調のロッテは更なる勢いを得ることでしょう。

残る.700超え選手は佐藤(オリックス)と宇草(広島)

佐藤 優悟(オリックス、育成7位、仙台大)

佐藤(オリックス)は育成7位からの入団選手。育成でも下位の指名からのスタートとなり、多くの選手を越えていく必要のある立場ですが、堅調な成績でアピールができています。

宇草 孔基(広島、2位、法政大)

宇草(広島)といえば2015年には高校日本代表としてU-18ワールドカップ、大学でも日本代表として日米大学野球に出場していた選手として、常に世代の中で目立つ活躍を続けてきた選手ですね。

OPS比較表

最後に50打席以上を残している全選手のOPSを比較するための比較表を見てみましょう。

やはり樋口・蝦名の2名は飛び抜けていますね。柳町あたりもかなり高レベルな成績を残しているのですが、二人が飛び抜けているおかげでそれほどの選手に見えませんね。

シーズン終了までこのハイペースで走り続けるのか、成績を楽しみに追い続けていきたい二人です。

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